4月の乱読三昧2018年04月21日 11:09

・7SEEDS外伝 田村由美 小学館フラワーコミックス 20180115
35巻が終わって、その後の物語。でもやはりこれから始まる物語。花のお父さん、ちまきのお父さんがどんな想いでいたのかもわかる。滅びることがわかって人は何をするのか。
新しく生きるこどもたちは、これからどうやって社会を創るのか、
人という生き物の本質は希望に生きるのか、考えさせられる外伝です。


嘘みたいな本当の話 高橋源一郎 内田樹・選 文春文庫 20150310 680円
募集した本当の話から選んだ149の実話、これをまとめて読むと日本とはどんな国か、が浮かび上がると内田は言うが、。2010-11年ラジオで募集したもの、日本ではみんなが読んだだけではその人の職業、社会的立場、住んでいるところも年齢、性差も、わからない。
世界中で日本だけが均質。他ではありえない均質化が見られる。欧米では階層的に使う言語が違うのだそうです。

・嘘みたいな本当の話みどり 高橋源一郎 内田樹・選 文春文庫 20160710 740円
上記の第2弾、
どこに行けば見えるのか、触れるのか、その存在を確認することができるのか、それはない、と高橋さんは言います。人生、歴史ということばは、日々の生きて過ごした時間、在ったことに尽きるのでしょう。
内田氏は、選ぶ基準を「奇妙な後味」と「あるよね、そんなこと」感だと書いています。
「成瀬さんって空中浮遊するらしいよ。」「そういうことってあるよね」そういう感じで使います。「そんなことあるわけないじゃないか、エビデンスを示せ、科学的論拠をもってこい」というような野暮なことを言っていきり立つ人が私は嫌いです。
と22ページに書いてあります。
こうしてあつめてみれば、この時代だから、あるいは日本人だから、というナショナルストーリーが浮かび上がります。後10年後に同じ企画をして集めたとき、どんな違いがあるのか、ないのか、興味深いことです。


・終わった人 内館牧子 講談社 20150915 1600円
 「帰ってくればよがんす」田代壮介のお母さんが言う言葉が、印象に残った。思い出と戦っても勝てない、という言葉も。第一線から63歳で引いた壮介のあがき、プライドと弱みを見せたくないための肩肘張った態度、、、いるいると思いながらも共感した。
卒婚も良いと思う。壮介の身内や幼馴染はいい人ばかりで、できすぎだと思うが、仕事を終われば私もどうしたら良いのか、と考えさせられた。


・それでも猫は出かけていく ハルノ宵子 幻冬舎文庫 20180210 540円
飼い猫、外猫、猫生のいろいろなリアル。


・老人の取扱説明書  平松 類 SB新書 20170915 800円
現役の耳鼻科の先生、10万人以上の高齢者に直に会って書いたトリセツ、おもわずうなづく、、、

・人間関係 「違い」がわかればうまくいく! Ture colors入門 ハワード・カツヨ
 アスクヒューマン・ケア  20080719 1800円
職員研修の実習先。
ありがたいことに友井さんの息子 真人くんが担当。不思議な縁です。
法人理念に共感して就職してくれても人間関係でやめる事例が多いことに気がつき、仕事の現場での人間関係が離職の原因になることが多いことに気がつきました。
法人理念に失望してやめるというのは今までに聞いたことが無かったし、現場は直属の上司や、同僚とのやり取りでなりたっているのです。
相手を知り己を知り、その上での仕事と思うので、自己理解、自分の考えの特徴を知り、相手の考えの理解をすることで、日常の小さな違和感や齟齬を減らせるのでは、と思います。

・文芸春秋 2018年3月号 芥川賞受賞作発表 
  ・おらおらでひとりいぐも  若竹千沙子
語りが面白い、折れ折れ詐欺にひっかっかって肩身が狭いのもおもしろい、その年齢で考えそうな感じがおもしろい。  
・百年泥   石井優佳
興味深い著作。泥について、その地にいるからこそ、日本と違った点を深くかんがえたのだろうと察する。視点が面白い。

・家と庭と犬とねこ  石井桃子 河出書房新社  20180210 680円
ノンちゃん雲に乗る、熊のプーさん、ピーターラビットなどの名翻訳者として有名な石井さんが、終戦の8月15日に東北の寒村、鶯沢で開拓農家を始め、牛を買って牧場にする経過や、戦前の暮らし、浦和での猫や犬との暮らしなど、思い出の中にも、よく働き、自然を心身ともにいっぱい受け入れて暮らした日常を書いている。
地に足をつけた暮らし、私の父母もこうだった、と思い知ることの数々。
晴耕雨読というには、農業では食べていけないことへの素朴な疑問、現代に通じる格差を当時も感じながら力いっぱい働いた様子に、打たれた。

・みがけば光る 石井桃子 河出書房新社 20180310 740円
わかりました、という言葉に驚く桃子さんに驚く私。文芸春秋社の始まりの頃に名だたる作家さんと同時代でいたということにも驚く。いまや日本文学史上の方々の若い頃に、桃子さんは出会っていた。それとは別に自分の居場所を、地に足のついた処に求め、自然、小さな花々、素朴な田舎の人々に安らぎを見出している。


・長いお別れ 中島京子 文芸春秋 文春文庫 20180310 660円
元 中学校校長の東昇平、ある日毎年行っていた同窓会にたどりつかなかったことで、認知症が発覚、献身的に介護する妻、三人の娘の生活と介護の分担、いやっ!というとデイサービスも訪問入浴も滞り、「かえる」といって、何度も言い聞かせるが、どこにいても帰りたがる昇平。認知症の父親を見る女4人が、善意からそれぞれに努力している様が身につまされる。娘たちの家庭、孫たちの日常も巧みに織り込まれ、介護の現場の人が読むと「あるある」がたくさんある。こうして私たちの前に現れる利用者のバックグラウンドに触れる気もする。それぞれにこれまでの人生と人との繋がりがあるひとりが、いろいろ忘れてしまっても、で、それが何か? という妻がいることも覚えて居なくては。
不登校になった孫の学校の校長が、ロンググッドバイ長いお別れと認知症のことを表現する。


・もういちど生まれる 朝井リョウ 幻冬舎文庫 20140410 540円
大学生の頃、異性とのぴりぴりするような出会いと別れと焦燥と、、その気恥ずかしい一途な感性を書き表すのは難しい。若い作者ならばこそ、と思いながら、ここまで書かれて、感情移入してしまう。それぞれの年代に響くあの頃、中学生、高校生、大学生の頃の、黒い感情、そう、そう思うことってあるよね、という真実がある。


・ヒューマンファーストのこころの治療 -現代病が増えつづける日本の社会―
 榎本稔 幻冬舎20171003 1200円


・ぼのぼの  いがらしみきお 竹書房  20170410 620円
いつものぼのぼのがおかしくたのしい。何冊目かなあ、いっぱいすぎ?


・詩篇の慰め 憩いのほとり 森本二太郎 写真  教文館 20070710 1200円
写真が美しい。森本さんのいとこさん。もう10年くらい個展に行っている。

・キリエ 祈りの詩 ヨッヘン・クレッパー著 富田恵美子・ドロテア/富田裕 訳 森本二太郎 写真  教文館 20160120 1200円

写真が素敵。同上の個展でゲット。

・葬送の仕事師たち 井上理津子 新潮文庫 2018020  550円
葬儀社社員、納棺師、エンバーマー、火葬場職員など、死と近いところでそれを仕事とする人々にインタビューしている本。着眼点が今、これからの超高齢社会、つまり多死社会になる日本に、あっていると思う。昔ながらのお葬式が、今、だんだん家族のみ、本人のみになりつつある。実際、死をどう捉えるのか、私たちは伝統から離れ、私たちで考えなくてはならない時代になった。宗教が全て、お寺さんが全てではなくなったからだと思う。
特定の宗教も無く、墓が無いので公園墓地を買う、お金もないので、埋葬にも悩む、そんな時代の葬儀、つまりは死の捕らえ方だが、いずれにしろ火葬しなくてはならない。
その仕事をしている人たちの死と生の捉え方が異口同音のように、生と死のつながりを云う。死は誰にも平等に来る。早いか遅いかの違いだけ、苦しいか、安らかか、いずれにしても最後は誰かのお世話になって埋葬されなくてはならない。死への覚悟を持てる気がする。

・健康で文化的な最低限度の生活 (6)柏木ハルコ  小学館 20180204 552円
マンガの6冊目、よく取材されている。現場感がある。

。ヴァチカン図書館の裏蔵書  聖杯伝説 篠原美季 新潮文庫 20180301 520円
テルマエロマエのマンガを彷彿とするか、ローマ、ヴァチカン見学気分を少し味わえる。ヴァチカンの司教に知り合いがいると特権的な気分がする。ただの人のようで、何か予知能力のありそうな聖人、きれいなマリク神父、記者の斉木が聖人を助ける。ミステリとしてはさして面白みはない。

・まったなし 畠中恵 文春文庫 20180410 650円
まんまこと こいしり こいわすれ ときぐすり と続いて、まったなしは第5弾。ついに色男、遊びなれた清十郎のお嫁さんが決まった。プレイボーイが堅実な女性と結婚する話はよくあるけれど、まあ、そうだよね、とみんなで祝福できるなりゆきです。
麻之助がのほほんと、猫のふにに頼って?いる様子が楽しい。頭が良いというのか、推理上手というのか、決めるときは決めるからいいんだけれども。

・スリジエセンター1991 海堂尊 講談社文庫 20180315 820円
まるでブラックジャックのような天城雪彦、彼からジュノと呼ばれる世良からの視点で描かれるスリジエセンターの夢。象牙の塔と形容されて久しい医学部の覇権と野望。
いつもながらロマンティックなシチュエーションでうれしく読みきることができます。

・闇の聖天使ヴェネツィア・ヴァンパイア・サーガ  篠田真由美 角川ホラー文庫    20180225 720円
1999年ヴェネツィア、東京直下型地震を生き延びた少年ヒカルの出あった美の化身のようなアナスタシオ・マリーノ・フェリアルと黒い執事イズライール、著者得意のイタリアの描写にリアル感、ありありと見せる苦悩、執着、愛、、
ヴァンピロ、天使、ヴァンパイア狩り、興味深いゴシックホラーが、ヒカルの特別な力を明らかにするまで、続いていく気がします。楽しみです。

・その可能性はすでに考えた 井上真偽 講談社文庫 20180215  760円
東大卒のミステリ作家、本格ミステリに、まだこんな発想があったのか、とオビに書いてあり、様々なミステリランキングに選ばれている作品。
奇跡を信じたい探偵と、ヴァチカンの奇跡認定を行う列聖省のカヴァリエーレ枢機卿との対決、すでにバチカン奇跡調査官シリーズを10冊以上読んできた身としては、奇跡認定の大変さは良く知っていますから、奇跡ではない前提で読んでいますから、その仮定のトリックとトリック崩しの面白さで読んでいくわけですけれど、ウエオロジョウという探偵のすばらしさと、ヒーローっぽくない様子に読後に奇妙な感じが後を引きます。時代、国政もシチュエーションもトンデイマス。

・みんなの怪盗ルパン 小林泰三 近藤史恵 藤野恵美 真山仁 湊かなえ
ポプラ文庫 20180405 620円
ルパンが好きな人気作家のルパンへのオマージュ短編小説集。
どれも雰囲気を活かし、ルパンへの愛が感じられる。ルパン好きでもがっかりしない良品ばかりのストーリーです。

・ハイキングで出会う花 ポケット図鑑 植村征夫 新潮文庫
20060501 629円
白い花が白く見えるのは色素によるのではなく、花びらの中に気泡が含まれているからで、たとえば氷に気泡が入ると白い氷に見えると同じことです。といわれ、ほう、、と感心します。そんな薀蓄も楽しい図鑑です。

・目からウロコの自然観察 唐沢孝一 中公新書 20180425 1000円
身近な生き物、花、鳥、蝶、虫などなど四季折々のトピック集。実際に外に出てよーく観て見ると、そうだったんだ、と改めて知った気分で楽しい。

・明日をうたう 命ある限り 三浦綾子 角川文庫 19990925 514円
作者が77歳でなくなった最後の作品。夫が 自伝「命ある限り」の続編と書いているとおり、自伝的エッセイ。パーキンソン病の進行とたびたびの骨折など辛い中で夫に口述筆記してもらい書き続けた。生き方がまったく命ある限り作家だった。
信仰が彼女を強く支えたのだろう。

・キリスト教から読む世界史 関 眞興 日経ビジネス文庫 20180201 820円
東大卒、駿台予備校の世界史講師がリタイア後に書いた世界史トピックス100.
歴史上の出来事の視点をキリスト教からの視点に変えて見直すとき、浮き上がってきたのはカトリック教会の保守的な伝統至上主義。筋を通す教義とそれを忠実に守る人々がいてこそ伝統、文化は守られ続いていく。一人ひとりは道半ばで倒れても、いづれ人類は進んでいく、という2000年の歴史に、私も生きて死んで歴史の時間の中にいるのだと思う、

・平穏死のすすめ 石飛幸三 蘆花ホーム医師 講談社文庫 20130215 448円
特養の常勤医としての経験から、死をどう迎えるか書いた本。当時としては一部の人しか思わない、思っても口にしたらいけないことを、医師の立場から言ってくれた、と思った。

・中高年の危機と挑戦  アルフォンスデーケン 女子パウロ会 19901015
カトリックの教会誌「あけぼの」に書かれたもの。講演録など。
デーケン先生の信仰に裏打ちされた生き方指南書。
時々読み返してエネルギーとなる。

・困った老人のトリセツ 25の事例と解決策 和田秀樹 宝島新書
2018年0423  780円
東大医学部卒、老年精神医学、元気で居るためにはやりたいことをやり、行きたいところへ行くこと。
脳の老化は前頭葉の萎縮、切れやすい、もともとの性格が顕著になる、などそうは思っていても、医師からいわれると納得する。現場で起こっていることや自分の身内のことなどおもい当たることが多い。

コメント

_ hagikoエノコロ草 ― 2018年04月25日 15時58分22秒

あいかわらず、すごい読書量ですね。
忙しいのによく読む暇があると感心しますよ。
私は、もう目がだめで、雑誌程度しか読まなくなってしまいました。
読書は若いころにやっておくものと、テイの若いスタッフさんにアドバイスしている有様です。

_ shiz ― 2018年05月03日 22時16分10秒

通勤時間が長くなったので、つい、簡単に読めるものを読んでいます。片道140分は長いでしょう?
それに、3月から読み始めたので、実は2か月分でした。ハハ...
まだメガネ無しで読めますが、老眼は進んでいるような気がします。

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