4月の備忘録2024年04月30日 10:33

ぶどう畑一面のぺんぺん草
 ・お葉の医心帖  有馬美季子  
       角川文庫  760円 令和5年11月25日
 流行病で両親をなくし、奉公先でのいじめに耐えかねて川に身を投げたお葉。町医者・道庵に助けられ、手伝いをするようになる。真心を学び、患者と向き合う少女の成長物語。と帯にあるように両親をなくし12歳からの奉公先でひどいいじめに会い、絶望のあまりに大川に身投げをしたのだ。道庵の診療所に居候の身となって道庵の真摯な思いと親切な大人たちに接し、人間不信から立ち直っていく過程が丁寧に描かれる。「 でも、、、人って、案外いいものかもしれない」という気持ちになってくれたところで、すっかりお葉を応援する気持ちになります。


・ランチ酒 原田ひ香 祥伝社文庫690円令和2年10月20日
「見守りや」という珍しい仕事をしている犬飼祥子。人でもペットでも夜から朝まで寝ずの番で見守る。そして昼前に、酒をつまみにご飯を食べて眠る。それぞれの家庭の事情とともに、祥子の事情、昼間から酒と食事を摂れる美味しい店が紹介される。よく知っている駅の描写を読みながら、ああ、あそこらへんだ、と近しく思う。食事もリアルに美味しそうで、こんどためしてみようかとも思う。駅とメニューは
*武蔵小山  肉丼、 *中目黒  ラム チーズバーガー、
* 丸の内  回転寿司、*中野 焼肉定食、
*阿倍野 刺身定食、 *御茶ノ水 牛タン、 
*新宿 ソーセージ&クラウト、*十条 パクテー(肉骨茶)
*新丸子  サイコロステーキ、* 秋葉原  唐揚げ丼、
*新丸子 リベンジ  アジフライ、*代官山フレンチレストラン、  *房総半島  海鮮丼、* 不動前  うな重、 
* 秋葉原再び  とんかつ茶漬け、*中野坂上  オムライス、


・恐竜物語 レイ・ブラッドベリ  伊藤典夫・訳  
       新潮文庫 400円 昭和59年12月10日
叙情と幻想の詩人の短編集。個性的なイラスト付き。各編は、
1・恐竜 の他に大きくなったら何になりたい? デイヴィッド・ ウィスナー画
2・ いかづちの音  ウィリアム・スカウト画、
3・見よ、 気のいい 気まぐれ 恐竜たちを 
       オーヴァトン・ロイド画、
4・霧笛  ステランコ画、 
5・ もしも私が、 恐竜は死んではいない、と言ったとしたら  
        ゲイアン・ウィルソン画、
6・ティラノサウルス・レックス   メビウス画


・10月はたそがれの国 レイ・ブラッドベリ 
          宇野利泰・訳 創元推理文庫
          240円 1965年12月24日
この頃の文庫本は、紙質画悪く、周りがだんだん黄ばんできて、もろくなってきました。
何よりこの値段です。活字も小さく、496ページの厚みがあって読み応えあり,今なら5倍位になるでしょうね。文庫本の値段も上がってきましたね。
 こびと、 次の番、 マチスのポーカー・チップの目、 骨、 壜、 みずうみ、死者、 熱気のうちで、小さな殺人者、 群衆、 ビックリ箱、 大鎌、 アンクル・ エナー、風、二階の下宿人、
ある老母の話、 下水道、 集会、 ダッドリー・ストーンの不思議な死、という充実の短編集です。


・3000円の使いかた  原田ひ香 
          中公文庫  700円2021年8月25日
 美帆と真帆の姉妹、 その母 智子、 その祖母 琴子。 御厨家の女性たちがお金をどう貯めてどう使うのか 人生の節目とピンチを乗り越えるやり方が書いてあります 。「老後の資金がありません」 で有名な 垣谷美雨さんが絶賛して「この本は死ぬまで本棚の片隅に置いておき、 自分を見失うたびに再び手に取る。 そういった価値のある本です」とおっしゃっています。


・ビブリア古書堂の事件手帳4  扉子たちと 継がれる道 
    三上苑 メディアワークス文庫 730円 2024年3月
栞子さんの娘の扉子さんが主人公となった事件手帳も4冊目となりました 。ここでは 鎌倉文庫をめぐって 扉子、栞子、智恵子 それぞれの17歳の物語を絡めています 。本好き というにはあまりにも膨大な 本の知識を持つ不思議で特異な女性たち三代に受け継がれた物語です。
・ いわいごと  畠中恵 文春文庫 760円 2024年3月10日
・ 能面検事の奮迅   中山 七里 
       光文社文庫  720円 2024年4月20日
・春はやて 時代小説 アンソロジー  
    平岩 夢ほか  角川文庫 560円 平成28年3月25日
・ 夏しぐれ 時代小説 アンソロジー
      平岩弓枝 他 角川文庫520円 平成25年7月25日
・秋日和  時代小説 アンソロジー 
  池波正太郎 ほか  角川文庫 560円 平成26年10月25日
・刑事何 森 孤高の相貌 デフ ボイス スピンオフ 1
   丸山正樹 創元推理文庫   820円 2023年11月30日  
・ソーシャルワーカー 二ノ瀬丞の報告書  吹井賢
    メディアワークス文庫  700円2024年3月25日
  福祉の世界が描かれた作品は多いと感じます。福祉の幅、概念も多岐にわたります。
私は、自分が、福祉関連の仕事を長くしたこと、社会福祉主事、社会福祉士、他の資格を取り、社会福祉法人関連の学びを長くした経験から、この種の本を多く読みました。
巻末の参考文献から、作者も、社会福祉制度の隙間から漏れたらどうしたらよいのか、という観点からこの作品を書いたのだと思います。
社会福祉学科で学んだり、専門学校で社会福祉士の受験資格を得てからの、新人のソーシャルワーカーは、役所か社会福祉法人に務めるのですが、社会福祉協議会というのも社会福祉法人なんです。
世界に誇るべき平和憲法である、日本国憲法(昭和二十一年憲法)の、
 第25条
第1項  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上 及び増進に努めなければならない。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
に、注目しても、今の日本政府は、しっかりと貧困対策、感染症対策、地震・自然災害対策をすべきと思います。


・外科医 島へ  泣くな 研修医 6  中山裕次郎
     幻冬舎文庫 630円 令和6年1月15日
・ 普通の医者たち  南木佳士 
     文春文庫 476円 2003年2月10日

・みとり猫  有川ひろ  講談社文庫 700円2024年4月12日


DVD
「生きる」1952年 黒澤明監督の有名な作品を見ました 。30年無欠勤で市役所に勤める 渡辺が胃がんの宣告を受けて亡くなるまで どう 考えと行動したか またそのお通夜で同僚の公務員がそれぞれ仕事上の愚痴を話し それに対抗した 渡辺を褒める その結果 変わったかと言うと最後のシーンで やはり 市民をたらい回しする役所の様子が 皮肉に描かれる主演の志村拓司が歌う 命短し恋せよ乙女の歌は涙を誘います 人というものは良いこと 正しいことを考え 求めながら 権力者の前 組織の中ではそれを曲げて命令に従ってしまう 情けないものたち だと 改めて思います。
お通夜の席でお酒の力を借りて同僚たちの本音が出ます。それは、「あそこ(役所)はね、 何もしちゃいけないところなんだからね。 何もやらないこと以外は、 過激 行為 なんだから、、、
僕らは 何かしているような顔をして何もしないようにしていなくちゃならない。」
「どこかの町内のゴミ箱 片付けるのにも、 そのゴミ箱がいっぱいになるぐらいの書類が必要なんですからね ! そうですよ、 ハンコ、 ハンコ、 判子!」
「 言い訳だよ。 みんなね、 貴重な時間を盗んで生きてんだよ。 世間じゃ 収賄事件や 4万台の自動車で なんだかんだ言ってるが、 この目に見えない 膨大な時間の浪費に比べてそんなものは屁みたいなもんだよ。 あの複雑な仕組みの中じゃ 何一つ、 第一 、ああ 無意味に忙しくっちゃ 考えることさえ 何もできないんだから、、、」
 この頃から 70年以上過ぎた今も、 いわゆる お役所仕事というものの変わらなさに皮肉な笑いも浮かびます。泣いて笑って やはり 見応えのある映画でした。


ほかは、麗しのサブリナ、 ウォッチマン、 13 F、 永遠の人、 幸福、女王蜂、 新・喜びも悲しみも幾歳月、 赤ひげ、 ルパン三世 グッバイ バディ、 ダイハード ラストデイ、 人間模様、
ルパン三世 vs キャッツアイ、 エンバー  失われた光の物語 、キャットウーマン 特別編 、
ザファーム 法律事務所、 ジョンウィック  コンセクエンス、 ワップ亭 スターダム、
白鍵と黒鍵の間に、 お前の罪を自白しろ、 ミステリーというなかれ、 テッド 2,
タイムマシン 2024 、ギャングスター、 シュミラント 反逆者たち、 ネメシス  黄金螺旋の謎、素晴らしき日曜日、 酔いどれ天使、 ダイブ 海底28m、

駅で読める本など2024年04月30日 10:53

小さな本(無料がうれしい)
昨夜からの雨が止みました。 
今日はこれから義母の特別養護老人ホームに面会に行って、買い物して、時間があれば公園で少しは歩きたいなと思います。

そういえば無料の小冊子を集めたことがありました。ありがたいことです。

・いつも駅からだった  聖蹟桜ヶ丘 編  岩井 圭也 
京王✕街 ハック  2024年3月28日
  これは下北沢編、 高尾山口編、調布編、 府中編に続く第5弾、 京王電鉄が出している 本というのでしょうか、小説を読んで 街歩きを楽しみ体験するというコンセプトです。無料で配られています。

一緒に写真に写っているのは、以前 相鉄線沿線駅で配られていた「相鉄瓦版」です。以前無料で配布されていました。 内容がしっかりしていて 毎月楽しみでした。 これらはもう発行されていません。他にも私鉄沿線では、小冊子やパンフレットが配られていて、面白いです。