クリスマス もうひとつ2019年12月01日 21:33

新宿のデパートのクリスマスディスプレイ

なかのケーキが回ります。

あっという間に12月!2019年12月01日 21:39

皇居乾通りのシキザクラ 11月30日

毎度のことながら、もう今年もおわり、、と想いながら備忘録を置きます。
2019年11月に読んだ本のメモ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー  プレイディみかこ 新潮社 1350円
20190620
 本屋大賞2019 ノンフィクション本大賞ノミネートとあります。月間「波」でときどき読んでいますが、場所が昔住んでいたブライトンということで、よりいっそうの親近感を感じました。今現在のブライトンの雰囲気がありありと見えるようです。
名言が、あちこちにあって「老人はすべてを信じる。中年はすべてを疑う。若者はすべてを知っている。子どもはすべてにぶちあたる。」
「イエローでホワイトな子どもがブルーである必要なんかない。色があるとすれば、それはまだ人間としてグリーンであるという、、、中略 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとグリーン。――いまのところは。」などいいですねー。
斜陽と云われ、大国じゃないといわれても、イギリスってやはり、子育てには実践的だし、理念がありますね。日本はあぶなっかしいと思います。理念がなければ賢いリーダーが必要。教育こそ国づくりの根幹ですもの。

創竜伝 14 田中芳樹 講談社ノベルス 900円20191007
なんと、終わらないと思った創竜伝が来年は15巻が出て終わるということです。
大胆な壮大な物語になったので風呂敷はどう畳まれるのか、しんぱいしていましたが。でも漫画のように画が浮かぶ、痛快な面白さが顕在す。

珈琲店タレーランの事件簿6 珈琲カップいっぱいの愛  岡崎琢磨 宝島社文庫 660円  20191121
6巻目にして最終巻。急いで購入、一気に読みました。美星さんとアオヤマ君が、やっとまとまりそうなのが、ついにんまりとしてしまうシチュエーションです。
まあ、いつもながら、とてもスムーズでちゃんと謎が解き明かされ、論理的にも破綻なく最後まで連れて行ってくれるので安心です。(まあ、上手く行き過ぎてるきらいはありますが)あの軽いおじさんの、どこが良かったのやら千恵さん、と聞きたいくらいですが、めでたく完結しました。

科警研のホームズ 毒殺のシンフォニア 喜多喜久 宝島社文庫 640円 20191109
前作に引き続き、3人の研修生が、土屋先生の一言ヒントで頑張る謎解き物語。
責任者なのに、上司なのに、もっと手取り足取り教えてくれてもよさそうなもの、と思うけれど、研修生は3人で互いに協録して動き考えることを学び、土屋先生は、人を育てるということを学んだ、良い未来が展望できそうな納得の後編。 
シェイクスピア警察 菅野彰 集英社オレンジ文庫 640円 20191023
毎日晴天!のシリーズがイメージに残ったまま、読み始めると、戯曲とその解釈と演出、そして役者、純粋な人はヘン! と思います。
巻末の参考文献にもたまげますが、シェイクスピアフリークというか、あの高名な作品への作者の並々ならないマニアぶりに、圧倒される作品でした。

エール! お仕事小説アンソロジー 大崎梢、近藤史恵ほか 実業之日本社文庫 600円 20121015
 何の仕事だってラクじゃない!とは、身にしみていたけれど、泣けます。笑えます。元気になれます!というオビで、買った記憶があります。
今読んでも、古い感じはしません。漫画家、通信講座講師、プラネタリウム解説員、ディスプレイデザイナー、スポーツライター、ツアーコンダクター、それぞれにおお、こんなに気苦労や、生活問題の中で、、、と共感同情をします。

スクープを狙え! 中央新聞酒巻班 仙川環 ハルキ文庫 620円 20150118
 吠えろ!逆巻記者の続編、入社5年目の上原さんが、理不尽なサカマキングに怒鳴られ、追い立てられ、記事をものしてゆく顛末がスリリングです。
ようは、ものごとは一面からでは理解できない、ということを丁寧に追いかけるとその事件の本質や、目に見えて悪いことが、実は、まったくの悪 とはいいきれないという、現実社会のグレーさに気づくしかけ。オールハッピーとは言えませんが、大作を読んだような気分になります。

江戸川乱歩傑作選 江戸川乱歩 新潮文庫 昭和43年9月30日 10刷 120円
 この年代に発行された文庫本は、周辺から日に焼けて茶色の本になってしまい美しくないです。 紙のせいなのかしら、つい新本を買いたくなりますね。二銭銅貨を読み直す必要から、本棚から見つけました。乱歩の処女作から始まり初期短編集といえます。
この作品が「新青年」に載せられたときから、探偵小説作家乱歩が始まった気がします。
今読み返すと、いろいろ突っ込みどころがありますが、用意周到な暗号ものとして十分に楽しむことができ、人物描写のリアルなところやドラマ性が当時は新鮮だったと思います。

遠い唇  北村 薫 角川文庫 20191125 580円
 文庫が出たら即買いに走る、当代随一の名手、と勝手に思っている北村薫の謎解き短編集。この中の「続・二銭銅貨」が秀逸。天下の江戸川乱歩の処女作品にして高名な「二銭銅貨」の、オマージュになっている。しかも本歌取りというか、私も引っかかった箇所に対して、ちゃんと複線として、回収しているところがすごい。両方読んで、大正12年と平成22年と、随分年月は隔たったけれど、名作はいつも読者を驚かせ知的に満足させてたのしませてくれます。

おひとりさまの最期 上野千鶴子 朝日文庫 20191130 700円
 おひとりさま、という言葉がすっかり定着したのは、上野先生のおかげ。この先、日本はお一人様ばかりになる、と早くから気がついて、わが身になぞらえつつ介護、認知症などに研究を集中させたことが、介護業界でも着目されたゆえかもしれません。
現実の介護現場、認知症介護施設などの意見はそれぞれ、家族の意見もそれぞれですが、当の本人が、どう生きたいか、死にたいか、と願っても、その希望すら、実際その時にならないとわからない、というのが、本当です。
事前に、死ぬ前にどうしたいのか、なんて書き残してもどうなのか、と思います。
ひとりひとり、死ぬことだけは確かですが、どう死ぬのか、いつ死ぬのかが判りません。
死に行く人の希望をかなえるためには、のべ30人くらいの助っ人が必要です。周りを見回して、それだけの協力者がいるか、いなかったらお金で雇えるか、それに尽きます。
介護現場では、たとえば認知症のグループホームでは、18人の入居者に対して最低20人を雇います。これでやっとです。ホテルに泊まると、泊まるだけで一泊3万円なんて普通でしょう。ベッド代だけで一ヶ月90万円かかります。認知症で家族もお手上げの方々を、一ヶ月18万円ほどで、ベッド代、一日3食付、24時間介護付で預かるのは、介護保険があればこそです。ただしパートの時給は最低賃金しか出せません。預けるほうにとっては、月18万円の出費は痛いです。でも介護するほうにとっては、この安い賃金で労働するのはどうかとも思うのです。認知症にならず、骨折をせず、病気にならないで、老衰で短い介護期間で死ぬことがお一人様には最適ですが、、、

騙し絵の牙 塩田武士 角川文庫 720円 20191125
大泉洋さんに「あてがき」したという作品で、来年は映画化が決まっているそうです。
筒井康隆御大が「大いなる助走」の「以後」がここに書かれていると、絶賛したそうです。
出版業界の惨状が縷々理解できるし、確かにそうだなあと思います。章ごとに大泉洋の写真がはいっていて、映画のノベライズ化みたいです。大泉さんが、動き出してしゃべっている様子まで目に浮かぶようになります。大泉さんファンにも目の保養です。
でも、朝日新聞の「もうすぐ終わる紙の本」というシリーズを読むと、やはり世の中の趨勢はネットに移り、商売としての、雑誌や書籍の出版は、落ち目。
でも、でも、私のように紙に印刷された本の好きな人は、まだたくさんいる、と思いたい。
年金暮らしになっても、沢山の紙の本を買いたい。この業界が小さくなっても、なくなることのないように。
牙があるのか、あるならどこで牙をたてるのか、表題がいまいち物足りない。

季語うんちく事典 新海均 角川ソフィア文庫 720円 20190925
今又、俳句がブームらしい。冬の季語にラグビーやムササビなんかがあると思うとたのしい。ちょっとした知識があると何か得したような気になるから不思議です。損得で人生を考えてはいけませんが、好奇心にとってうれしい、楽しいことを増やすのも介護予防になることでしょう。

悪徳の輪舞曲(ロンド) 中山七里 講談社文庫 740円 20191114
 作者は、多作で楽しくてすごいので、出るたびに買いますが、今回もこれでもかというほど、弁護士 御子柴礼司を、苦しめます。家族、そう犯罪者の彼にも母も妹も居たので、その人たちが目の前に来たとき、彼は少し動揺したんじゃないかと、でも本人は、その心の動きに、名をつけられないから、判らないなかで、いつものようにきっちりと仕事をまっとうするのだけれど。
恐ろしい犯罪を犯して牢屋に入る人がいる、刑期を終えて出所する人の再犯率は年々たかまり、今は半数近くが再犯して刑務所に戻るらしい、と聞くと、どうしてそんな怖い人たちを一般社会にもどすのかと、文句をいいたくなる。ましてや、その人が隣にこしてきたら、、彼は、この私たちの恐れの気持を逆手に、母の無罪の主張に使う。
その痛ましさ、自分の中にある、怖さや許せなさの気持の持って行き場がなくなり、読後が沈む気分になる力作。

老人の美学 筒井康隆 新潮新書 700円 20191020
1934年生まれの筒井大先生。「敵」「愛のひだりがわ」「私のグランパ」などの著書をひきつつ、みにくくならないように心がけている作家、という感じにまとめている。なるほどあれだけがむしゃらに、書いて書いてきた大先生もだんだん、この感じになってきたと、長年の読者は納得するのである。と口調も似てくる有様です。

善く死ぬための身体論 内田樹 成瀬雅春 集英社新書 860円 20190422
 ヨガの大家、成瀬先生は、ヒマラヤ修行で下山のとき、片足が曲がらなくなり、困ってぴょんぴょん飛んで18キロを下山したそうですが、普段と違う歩き方ができて楽しかったそうです。 どう死ぬのがよいのか、ここでは、武道家の内田先生とふたりで、雑学的哲学的に行き方指南をしています。ゲームをやめていきいきと生きないと日本は滅ぶと。

身体の言い分 内田樹 池上六郎 朝日文庫 750円 20190401
池上先生は「話を聞いただけで一瞬で治す」という治療家。内田先生と不思議な身体論に入り込む。

恋のヒペリカムでは悲しみが続かない上下巻 二宮敦人 TOブックス 600円 20191009
 最後の医者は桜を見上げて君を想うの作者が、作家生活10周年を記念して文庫に書き下ろしたという作品。最終章は春日部誠とルチアと思い出の花ヒペリカム。お話は赤松さんとまじめな八坂君との恋が、篠田と谷堂のむちゃくちゃ良いタイミングのおせっかいで成就しまして、一安心。篠田と谷堂の微妙な関係も修復されそうだし、読後がほっとする作品に仕上がっています。人の心と生き方って、いろいろめんどくさいけれど、生きて動いてこその人生よね。
 ヒペリカムという名前で赤い実を花屋さんで見ましたが、これは黄色いかわいい花ですね。

大嘗宮を見学しました2019年12月03日 21:44

大嘗宮に向かう多勢の人

乾通りから行くと、ぐるりと回り込むので見学者の多いことがわかります。
仏教などが輸入される前は、すめらみことは、
先祖の神々と会うこのような場を設け、
不浄を排して民の安寧を祈ったのでしょうね。
シャーマンのようですね。
俗な政治家や実業家とは、存在意義が違うと
古来の建物を見て感じました。

後側も清々しい2019年12月03日 21:59

大嘗宮の建物後方から
神と夜中、向きあう場所と思うと汚れた俗人には畏れ多い感じ。