3月の備忘録2023年03月30日 09:38

お花畑
3月は去る、例年のごとく早く過ぎ去りますね。
一週間のうち4日は例年より気温が高く、4月から5月の陽気だったようです。桜も早いわけです。
これで4月以降は真夏日が増えるようになるのでしょう。痛む肘にとっては暖かい方がありがたいのですが、毎年夏が長くなるのはどうしたものかと困惑します。
 肘の治療は終わりました。結局骨は、割れて離れたまま、肘は痛いままです。もう少し頑張れば両手で鼻がかめるようになると思い我慢しながら肘の曲げ伸ばしをしています。
どこかが痛むだけで、これほど何をするにも影響し、やる気が削がれるとは、その身にならないと思い知ることができませんでした。

その人の身になって考えろ、とはよくいうのですが、それほどむずかしいこともありますまい。せめて人には優しく、くらいですね。
今月読んだ本、購入した本です。

うちの父が運転をやめません 柿谷美雨 
          角川文庫 720円 2023年2月25日
高齢ドライバーの引き起こす事故が話題になるように、誰もが高齢化する社会です。公共交通機関が撤退する地方で、生活必需品の車について考えなくてはならなくなりました。
現在97歳の私の母が90歳で免許更新を止めたのもまさにこの問題でした。50年以上運転してきた母にとって、高齢の夫を介護しながらの毎日に、なくてはならない車でした。買い物に、通院に、わずかなの国民年金で暮らしている母はタクシーなど超贅沢だと考えています。
車があったので介護もできたとも言えます。結局弟が家族と別れて同居してくれたことで一応の解決となりましたが、、
また、以前勤めていたケアハウスは本来介護を受けない健康な方を居住対象としていますが、年とともに介護が必要になる方が増え、この先どうしたものかと悩んでいました。
その時、車に傷の多い入居者がいることに気がつきました。その方は80代で奥様を毎日買い物やお食事に連れ出すことを生きがいとしていました。でも、車の傷についてお伺いすると「大したことはない」と一蹴されます。保証人の娘様にご連絡して免許返納を伝えていただくと、大変なお怒りで手がつけられなくなりました。この本の雅志の父のようです。
長年のプライドや、生きがいや必要性、そのことがよく書かれています。まったくリアルなんです。
この先誰もが高齢化し、地方はますます不便になる時に、この本の提案のように、「みんなが時速20 km を守る」とか車に商品を積んで回ってくれる「移動スーパー」の拡充を考えることが必要だとおもいます。以前の勤め先の管理範囲は人口5000人の市営住宅を中心とする地域でしたが、とうとう唯一のスーパーが撤退することになりました。物語の中のできごとではありません。


復讐の協奏曲  中山七里 御子柴シリーズ第5作 
        講談社文庫 760円 2023年2月15日
14歳の時5歳の女の子を殺害しバラバラにして捨てた少年が、医療少年院を経て今は弁護士となりどんな手を使っても必ず勝つと言う辣腕ぶりを示す。
一旦そのことが世間に知れたら、いわゆる善良な市民はどういう反応を示すのか。
面と向かって表わされる悪意の他に、正義の名のもとに行われるバッシングの数々。想像するとおそろしい。
ネットを見回すと、匿名の一般市民がどんなに残念で嗜虐的であるか、物見高く人の不幸は蜜の味とばかり舌なめずりしている様子がありありと目に浮かびます。それこそ言いたい放題の感もあります。現実にネットの誹謗中傷に負けて破滅する人います。たとえ物語の人物にしても、こんなに困難な立場にある弁護士がいるだろうか。こんなに人の悪意、中傷、罵倒に耐えられる人間がいるのだろうか、と心配になるほどです。それだけ彼の心象に惹かれるということでしょう。
かつての死体配達人、現在の悪名高き御子柴礼司弁護士の物語は、「贖罪のソナタ」「追憶の夜想曲」「恩讐の鎮魂曲」「悪徳の輪舞曲」そして今回の「復讐の協奏曲」に続いている。
今回は、彼の事務所の唯一の事務員日下部洋子が、殺人犯として逮捕されてしまう。その弁護に奔走するうちに、やはり自分が犯した事件に行き着く。生きる限りこの罪は消えないと自覚する彼の中に贖罪や鎮魂が見えないが今後洋子とどうなるのか、気にかかります。
解説で弁護士で作家の五十嵐律人が、
〜刑事弁護に携わっていると弁護人としての倫理と、一人の人間としての倫理の狭間に置かれ、どのように動くべきか思い悩む瞬間がある。しかし御子柴は弁護人としての倫理のみが判断基準になっているため、他の弁護士よりも一歩早く動き出し、さらに何歩先まで踏み込むことができる。その積み重ねによって圧倒的な実績を積み上げてきたのだろう。と書いています。
どんな悪人でも弁護をする、と聞くと一般人はどうして?と思いますが、
〜置かれている立場や状況によって「倫理」は変化する、とも言っています。だから御子柴礼司は弁護士倫理には反していないと。

毎回出るたびに読まずにはいられません。読むたびに、人を殺すほどの悪意や狂気は一般の善良な市民の中にはない、と思いたい私に、いやいや、人の真実はもっと利己的で、自己中心的で、信用ならないものだと思い知らされる。
どれほど人の心を探ればこうした悪意や反道徳的な意思を掘りだすのか、 
いとも簡単にネットの文言に扇動される人を」馬鹿だ、愚かだ」と言い切っていますが、筆者の真意を慮るとしみじみ恐ろしいと思うシリーズです。


これから読むのは、
蝉かえる 桜田哲也 創元推理文庫 740円
              2023年2月10日
春を嫌いになった理由  誉田哲也 光文社文庫 
          720円 2023年3月20日 新装版
縁結びこそわが使命 占い同心 鬼堂民斎 風野真知雄 
       祥伝社文庫 600円 平成30年4月20日
笑う奴ほどよく盗む 占い同心 鬼堂民斎 風野真知雄
         祥伝社文庫620円平成28年2月20日
雪月花  北村薫 新潮文庫 630円 令和5年2月1日
飲めば都 北村薫 新潮文庫 710円 平成25年11月1日 
探し物屋 まやま 2 木原音瀬 
     集英社文庫 640円 2021年10月26日
樽とタタン 中島京子 新潮文庫 550円 令和2年9月1日
猫君 畠中 恵  集英社文庫 750円  2023年2月25日


DVD
アントマン&ワスプ、 北のカナリア、
ザ・エージェント、 ポリスアカデミー モスクワ大作戦、 
ブレット・トレイン、MOZU 砕かれた過去編、  MOZU 劇場版、 きみはいい子、 ヴェンデッタ、 異動辞令は音楽隊!、 百花、 怪物、 メガバンク最終決戦 上中下、 プリンス・オブ・エジプト(アニメ)、 don ' t Worry Darling 、ジムヘンソンの不思議の国、 セントラル・インテリジェンス、 犬のおまわりさん、 祈りの幕が下りる時、ヱヴァンゲリヲン新劇場版 Q、  シンエヴァンゲリオン 劇場版、 紀元前1万年、 俺たちは天使じゃない、 ディーバ 殺意の水底、マジックロード 空飛ぶ子馬、 バッドガイズ、 
Star Wars  clone war、素晴らしきかな人生、 
ダーリンは外人、  Sweet Rain 死神の精度

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